【インタビュー】「母の人生をありのままに映した」…Cella監督のドキュメンタリー『Foul-mouthed Grandma』
10年にわたる制作期間を経て完成したドキュメンタリー映画『Foul-mouthed Grandma』。母の人生を記録し続けたCella監督に、制作の背景や母への想いを聞きました。
母が去った後も、息子のカメラが止まることはなかった。一人の人生を記憶するために始まった記録は、いつの間にか10年の歳月を内包した一本の映画となった。

介護に寄り添った8年、母を見送った後に続いた3年6ヶ月の時間まで。Cella監督は、自分と母が歩んできた人生の痕跡をドキュメンタリー独立映画『Foul-mouthed Grandma』に収めた。
来る11月4日に公開される『Foul-mouthed Grandma』は、監督の幼少期と母の人生、二人が共に過ごした最後の時間を辿る作品だ。京畿道・抱川(ポチョン)の「Foul-mouthed Grandma」をはじめ、抱川や東ドゥチョン、逍遙山(ソヨサン)など、家族の人生と記憶が残る空間が映画の背景となった。
監督の家族は、彼が幼い頃、逍遙山の岩山の麓にテントを張って生活していた。若い頃にテントで家族の生活を営まなければならなかった母の記憶は、長い年月を経て絵へと繋がった。老齢により息子とのコミュニケーションが減った頃、手に握った色鉛筆が新しい対話の手段となった。
映画は、母を見送った後に一人残された監督の現在と、生前の母と共に過ごした最後の数年間の記録を交差させて見せる。幼少期に家族が留まった自然と生活空間、母が遺した絵、母子が共に過ごした時間がカメラに刻々と収められている。
画家でもある監督は、演出だけでなく自らも出演し、自身の家族史をカメラの前にさらけ出した。制作にかかった時間は10年に及ぶ。映画の出発点は、大層な企画ではなかった。老齢で言葉数が減った母に差し出した、一本の色鉛筆だった。
『Foul-mouthed Grandma』は、2025年11月にアメリカ・ニューヨークで開催されたドキュメンタリー映画祭「DOC NYC」に公式選出され上映されたほか、2026年5月には「ナイアガラ・カナダ国際映画祭」にも公式選出された。アメリカ・カリフォルニアで開催されるパイン・アーツ映画祭にも公式選出され、上映を控えている。
監督にとって『Foul-mouthed Grandma』は一本の映画であると同時に、母に送る長い記録だ。映画の始まりから10年にわたる制作過程、母との記憶、そして作品に込めた物語について話を聞いた。
写真:逍遙山に残された母の息吹を辿る息子/映画の一場面
Q)来る11月に公開されるドキュメンタリー『Foul-mouthed Grandma』はどのような作品か。 A)8年間の介護と3年6ヶ月の現代版の墓守、そして10年の制作期間を通じて、母の人生をありのままに描き出した現代版の「母への哀歌」だ。
Q)10年をかけて映画を作ることになった出発点は何か。 A)老齢でコミュニケーションが減っていた母の手に色鉛筆を握らせたことが、思いがけない芸術的な交流へと繋がり、それを世界と共有したいと思ったことだ。
Q)母に渡した色鉛筆が映画制作にまで繋がった。母の絵は作品においてどのような意味を持つのか。 A)母の素朴な絵と息子の現代的な感覚が調和し、母子の崇高な家族愛を示すことに集中した。
Q)抱川で「Foul-mouthed Grandma」を営んでいる。食堂は監督にとってどのような空間か。 A)「Foul-mouthed Grandma」の食堂を営みながら、母の手料理の味を継承し、客に温かい食事を振る舞いながら、同時に芸術的なインスピレーションを得ている。
Q)映画のタイトルでもある「Foul-mouthed Grandma」と食堂、母の人生が一つの物語として繋がっている。作品を通じて最も伝えたかったメッセージは何か。 A)愛は時間が経っても色褪せず、すべての傷を癒やす根源になるという点だ。
Q)作品には時計と鏡が登場する。二つの素材にどのような意味を込めたのか。 A)時計と鏡の動きを通じて、時間が流れても変わらない愛の価値を想起させ、観客がそれぞれの人生を振り返り、大切な関係について再び考えるきっかけになることを願った。
Q)10年にわたる制作過程や海外映画祭での上映など、多くの瞬間があった。監督として最も記憶に残る瞬間を挙げるとすれば。 A)DOC NYCで2,300余りの競争作品の中から5作品の一つに選出され、最後に閉幕作品として上映された瞬間が、監督として最も胸が熱くなった記憶だ。
Q)画家と映画監督として活動している。芸術活動を続ける上で最も重要だと考えている価値は何か。 A)真の芸術は人生の真実な記録から生まれるものであり、何よりも愛と関係が重要だと考えている。
Q)『Foul-mouthed Grandma』公開後の計画は何か。 A)完成したドキュメンタリーを通じて観客に響きを伝え、これからも様々な芸術活動を続けていく計画だ。
Q)長い時間をかけて母の人生を記録し完成させた作品だ。最後に、映画に出会う観客に伝えたい言葉は。 A)この映画を見るすべての人々が、心の奥底から慰めを受けられることを願っている。
母に渡した一本の色鉛筆から始まった記録は、10年の時を経て一本のドキュメンタリーとなった。幼少期に家族が留まった逍遙山の麓から抱川の食堂、母が遺した絵、そして母子が共に過ごした最後の時間まで、監督がカメラに収めてきた記録は『Foul-mouthed Grandma』にそのまま残されている。長い時間をかけて母の人生を追い、完成させた映画は、来る11月4日に観客と出会う。

コメント 0