「ソウルから釜山まで12時間」… 90年代の秋夕、激しい渋滞と高騰する物価
1990年代の韓国における秋夕(チュソク)の風景を振り返ります。激しい交通渋滞や、リンゴ1箱が4万ウォンに達した物価高など、当時のリアルな記録をKBSの映像と共に伝えます。
民族の大きな名節である秋夕(チュソク)を前に、故郷へと向かう道は常に期待と疲れが交差する。1990年代当時の記録を収めたKBSのニュース映像は、今日とは随分と異なるものの、依然として共通点が見られる当時の帰省風景を生々しく映し出している。

「止まってしまった高速道路」… 終わりのない帰省車両の列と交通戦争
1990年代半ばの高速道路は、まさに「交通戦争」だった。映像の記録によると、京釜高速道路は帰省車両の列によって、夜通し明かりが消えない状態となった。ヘリコプターで撮影された映像では、ソウルを抜け出す車両が4車線の道路を埋め尽くし、亀のような歩みで進む様子が捉えられた。一部の区間では渋滞があまりに激しく、車から降りて休息を取ったり、トラックの荷台に場所を確保して移動したりする人々の姿も確認できる。
お墓参りに訪れる人々も慌ただしかった。交通混雑を避けるため、秋夕の10日ほど前に先んじてお墓参りに出かける人々もいた。映像の中のインタビューでは、ある参拝客が「去年はあまりに渋滞したので、今年は少し早めに行くことにした」と、早めに動く理由を語った。ソウル近郊の公園墓地付近の道路は、お墓参りの車両と行楽車両が入り混じり、極度の混雑を極めた。
「リンゴ1箱が4万ウォン」… 高騰する祭祀用品の物価と名節の負担
名節を控えた買い物物価も大きな話題となった。1993年9月当時の記録を見ると、秋夕を前に農産物の価格が急騰した。卸売業者による物量調節などの影響により、リンゴなどの果物類の価格が今月初めより30〜40%ほど上がった状態だった。映像では、良質なリンゴ1箱を4万ウォン出しても手に入れるのが難しくなった状況が伝えられた。
祭祀用品の準備費用に対する負担も表れている。1993年基準では、4人家族が茶礼(チャレ)の膳を整えるのにかかる費用は、前年比で8%増の10万4,000ウォンに達すると予測された。水産物も、ジョギを中心に価格が上昇し、名節の準備をする人々の悩みを深めた。
乗車券の予約から「相乗り」まで、変化する名節の風俗
秋夕の乗車券を確保するための争奪戦も激しかった。かつては駅の広場でレジャーシートや寝袋を用意して夜を明かしながら、予約を待つ姿が一般的だった。ただし、1990年代半ば以降、高速道路のバス専用車線制度が実施され、分散予約が定着したことで、以前ほど広場に群衆が集まらないという変化も現れた。
一方、名節の情けを分かち合うための社会的な動きもあった。「帰省路の乗用車相乗り運動」は1989年に始まり、1990年代に入ると参加人数が大きく増えた。一人で車に乗るよりも、故郷の人と道連れになって行くという情を分かち合おうという趣旨で行われたこの運動は、当時の市民の意識の変化を示す場面である。
